お墓は納骨棺の位置によって2つに区分されます。
ひとつは納骨棺が地下にある地下納骨型、もうひとつは納骨棺が地上にある地上納骨型です。全国的に主流なのは地下納骨型ですが富山で主流なのは地上納骨型。
なぜなら、富山は雨や雪の日が多く、水が浸入しにくいことや湿気が充満することを考慮しなければならないからです。
さらに、地上納骨型のお墓は納骨棺の構造によって、くり抜き型、貼り合わせ型、柱型の3つに区分され、地域や予算にあわせて選ばれています。
石のかたまりをくり抜いてつくる納骨棺です。継ぎ目がないので強度や耐久性にすぐれていますが、石をたくさん使用するのでそれだけ高価になります。
呉西地区および富山市の一部の4尺までのお墓に多く採用されています。
2枚の側面板と1枚の背面板を接着剤で貼り合わせてつくる納骨棺です。一見するとくり抜き型とほとんど変わりませんが、石をさほど使用しないのでくり抜き型にくらべて安価になります。
呉東・呉西地区の3尺半ばのお墓に多く採用されています。
4本の柱を建てたあいだに、2枚の側面板と1枚の背面板を嵌め込み、目地をボンドで埋めてつくる納骨棺です。側面板・背面板は貼り合わせ型よりやや薄く石をもっとも使用しません。
呉東地区、とりわけ、5尺が主流となっている魚津・黒部のお墓に多く採用されています。
規模、形状、石種などによって大きく変わるお墓の価格。では、平均価格はいったいいくらなのでしょうか。
2024年に一般社団法人全国優良石材店がおこなった調査によると、墓石購入の全国平均価格は171.0万円。
地域別平均価格をみてみると、九州が203.6万円でもっとも高く、近畿が148.2万円でもっとも安くなっており、北陸は165.3万円で10地域中7位となっています。
なお、墓石の購入価格帯は、150万円以上~200万円未満が24.1%でもっとも多く、ついで200万円以上~300万円未満が21.5%、120万円以上~150万円未満が14.6%となっており、全国および地域平均価格に準じた内容となっています。
先述のとおり、北陸の墓石購入の平均価格は165.3万円ですが、富山においては地域差があることがわかっており、なかでも呉東地区が高価であることが知られています。
これは、魚津や黒部では5尺のお墓が主流となっていて、お墓の規模が大きいことなどと密接な関係があるようです。
[参考]一般社団法人全国優良石材店「2024年お墓購入者アンケート調査」